ローンを組む場合でも、クレジットで購入する場合でも「借り入れ」という方法によって商品を手に入れることのになります。
借り入れをする際に大きなポイントになるのが金利ですが、金利の他にも「借り入れ金額」「借り入れ期間」なども大きなポイントになります。
借り入れ金額
借り入れ金額は、各金融機関によって独自に設定されており、利用者の信用度によっても大きく異なってきます。
一般的に、厳しい審査に通るような信用力(返済能力)がある場合には、借り入れ可能額は高くなります。
例えば、金融機関で設定されている限度額は200万円であっても、その他に借り入れがあったり、過去に滞納した経歴があることで信用度は下がり、金利が上がる他に借り入れ可能額が100万円にしかならないような場合もあります。
借り入れ限度額
借り入れ限度額は、各金融機関のプランによっても大きく異なっています。
ローンの種類 | 限度額 | 返済期間 | |
---|---|---|---|
三菱東京UFJ銀行 | 自動車 | 300万円 | 10年 |
西京信用金庫 | 自動車 | 500万円 | 8年 |
中央労働金庫 | 自動車 | 500万円 | 10年 |
JA | 自動車 | 500万円 | 7年 |
マイワン | フリー | 500万円 | ー |
モビット | フリー | 300万円 | ー |
アットローン | フリー | 300万円 | ー |
イコールクレジット | フリー | 300万円 | ー |
シンキローン | フリー | 200万円 | 3年(自動更新) |
プリーバ | フリー | 300万円 | 5年(自動更新) |
レイク | ライセンス(フリー) | 100万円(50万円) | 4年 |
アコム | フリー | 300万円 | 4年11ヵ月 |
ディック | フリー | 300万円 | 7年 |
プロミス | 目的ローン(フリー) | 50万円(300万円) | ー |
返済期間
借り入れをする時、重要なポイントの1つとなるのが「返済期間」です。
それは、単に「長い間返済し続けなければいけない」と言うだけでなく、ローンやクレジットの金利が「年金利」であることによって、返済期間が長いほど支払い総額が多くなってしまう点にあります。
具体例として、金利4%で200万円の借り入れをして、均等払いを行った場合、
月額 | 総利息額 | |
---|---|---|
2年(24ヵ月)返済 | 8万6,849円 | 8万4,396円 |
4年(48ヵ月)返済 | 4万5,158円 | 16万7,589円 |
返済期間が2倍になることで、月々の返済額が約半分になるという大きなメリットはありますが、その分、総利息額が2倍になるというデメリットがあります。
このように、トータルで計算すると長期返済の方が高い金額を払ってしまうことになってしまう為、ローン組む際には、支払い期間の長さによるトータルの支払額も検討の材料にする必要があります。
販売店の自動車ローン
販売店が扱うローン
自動車を購入する多くの場合、購入時に販売店によってローンを組みます。販売店が提供している自動車ローンは、大変手軽に申し込むことができ、販売店の担当者も審査を通す為に親切に対応してくれます。
このように、手軽さなどの利便性の高さから多く利用されている販売店による自動車ローンですが、実際の内容はどのようなものなんでしょうか。
販売店クレジット
「販売店クレジット」とも呼ばれるこのローンは、殆どの場合、上記のように販売店の提携先である信販会社と契約をする事になります。
一般的に、「販売店のローンは審査が甘い」と言われています。これは、販売店と信販会社が提携を組むことによる利用者側の大きなメリットと言えます。
“ローンを組む”ということは、「借金を抱える」と言うことなので、本来であれば「厳しい審査でも通る人のみが組むべき」とも言えますが、今日の経済状況などを考えれば、審査を厳しくするばかりでは、利用者は減る一方だと言えます。
審査を甘くすることの販売店側のメリットは明確で、審査が甘ければ甘い程、購入しやすくなるため、販売台数を伸ばすことになり、代金は信販会社から支払われるので、販売店はリスクを抱えることはありません。
信販会社側のメリットとしては、提携してくれる販売店が増えることで顧客獲得の窓口が増え、収益増加に繋がります。また、近年増加している自己破産のように不払いのリスクは大きくなりますが、審査を甘くしても、利用者の全てが支払い不能に陥ることが無いように、顧客増加による収入のアップとのバランスがとれる範囲内で審査基準を甘くしています。
ただし、利用者側にとってのデメリットとして、“金利”の問題があります。それは、仮に同じ信販会社であっても販売店によって金利に差が生まれるということです。
先述のように、販売店と信販会社が提携することによって“キックバック”というものば発生します。このキックバックによって信販会社から販売店に支払われる金額は金利に上乗せさ、キックバックの金額は提携している販売店によって異なる為、当然上乗せされる金利も販売店によって異なってきます。
また、キックバック分の上乗せがある為、直接信販会社でローンを組むよりも販売店を通じてローンを組む方が金利が高くなってしまいます。
長く続く不況と競争原理により、近年ではこの金利差が殆ど無いと言えるようにもなってきています。
例えば、販売店の方針やキャンペーンによって、キックバック分の金利や購入者が信販会社に支払う金利を、“販売店が支払う”という形で下げている場合などの方法を行っている場合もあります。
銀行が扱う自動車ローン
“ローンを組む”ということは、「お金を借りる」ということです。一般的にお金を借りる場合、もっとも身近な借入先は普段利用している「銀行」になると思われます。
銀行では、目的に応じて資金の貸付けを行うことを主な業務としています。代表的なものとして、対企業であれば、資本金や業務拡大に伴う投資資金であったり、対個人であれば、住宅資金などがあり、自動車購入の際にも銀行でローンを組んで借り入れることが可能です。
銀行ローンの特徴
「銀行から借りる自動車ローンの一般的に言われている特徴として、
・金利が低い
・審査が厳しい
・審査に時間がかかる
・車両の代金しかローンを組めない
などがあります。
信販会社は、ある程度の不払いが発生することを想定している為、審査を甘くして顧客の獲得に勤めますが、その分、リスクを軽減する為に金利を高く設定して、利益幅を大きく取っています。
一方、銀行の場合は“不払いの発生率”を低く設定しています。その為、信販会社のように金利を高く設定して、リスク軽減を図る必要性が無いため、金利を低く抑えることが可能になっています。
しかし、高い回収率を維持するためには、 “確実に回収出来る”という前提があって成立するため、利用者が確実に返済出来るかを慎重に審査します。その為、審査が厳しく時間もかかってしまうのだと思われます。
また、審査をする為に必要な書類などが多く必要で、何度も窓口にで向かわなければいけないのも、このように確実な審査を行う為です。
人によってはメリットと感じられないかもしれませんが、「購入した自動車の所有権を持つことが出来る」というメリットもあります。
信販会社などによるローンの場合には、購入した自動車の所有権は信販会社にあり、所定の条件を満たさなければ、勝手に売却などをすることができません。
その点、銀行の自動車ローンであれば、現金を借りて、自分で販売店に支払うことになるので、購入した日から所有権は購入者のものになります。
注意点
信販会社などのローンの場合には、「支払額=元金+利息額」になりますが、銀行のローンの場合には、「支払額=元金+金利+保証料+手数料」になります。
仮に利用者が不払いになった場合、その損失分を信用保証会社が支払うという事を前提にローンは組まれます。
その為、銀行は信用保証会社の審査に通った人しかローンを組みませんが、この信用保証会社に支払われる代金が「保証料」になります。
そして、1つ1つの手続きをする際の事務費用が「手数料」に該当します。
つまり、銀行のローンでは、貸し付けた「元金」と銀行の利益となる「金利」、そして必要経費となる「保証料」「手数料」が支払額になります
ろうきんが扱う自動車ローン
信用金庫や信用組合と類似いている金融機関に“労働金庫”があります。労働金庫の場合も、信用金庫や信用組合と同じように低金利で自動車ローンを提供しています。
労働金庫とは
「ろうきん」という略称で呼ばれる労働金庫は、原則的に労働組合や生活協同組合などの会員を対象とした非営利組織の金融機関です。その為、設定されている金利も低く抑えられており、組合員が利用しやすいようになっています。
基本的には各組合に所属している組合員しか利用することは出来ませんが、近年では、その地域に居住していて安定収入を持っている人であれば、組合の了承を得た上で利用する事が出来るようになっている場合もあります。
ろうきんで扱うローンの特徴
“ろうきん”は地域ごとに存在し、その地域の各組合によって成り立っている為、その地域によって金利や借入額が異なってきます。
しかし、非営利組織である為、その設定は一般企業の信販会社よりも優遇されています。
また、基本的に各組合員の為の金融機関である為、非組合員の利用者は組合員の利用者に比べ金利などが高く設定されている場合があります。
更に、多くの場合、より低い利率で利用出来る固定金利や優遇金利が設定されています。
JAが扱う自動車ローン
低金利が魅力の借入先の1つに農業協同組合があります。
一般的に「JA」という愛称で呼ばれている農業協同組合(農協)ですが、農協は、労働組合と同じように、農業に従事する人たちの為の協同組合です。
農協も労働金庫のように全国区の各地域に存在しており、金利などに若干の違いがあるようです。
JAで扱うローンの特徴
農協が提供しているマイカーローンには、他の自動車ローンに比べて下記のような特徴があります。
低い金利
低い金利は、農協が非営利組織であることで労働金庫のように低い金利で借り入れをする事が可能になっています。
幅広い用途
銀行の自動車ローンの場合、車両価格しか適用になりませんが、JAのマイカーローンであれば、新車・中古車の購入はもちろん、修理や車検など幅広い用途に対して利用する事が出来ます。
借り入れ金額
借り入れ可能金額は、利用者の年収や信用度によって大きく異なってきますが、他の金融機関で100万円や300万円という上限が設定されている場合が多いのに対して、JAでは500万円という上限になっているようです。
長い返済期間
返済期間が長くなれば、その分利息額が大きくなってしまいますが、その代わり月々の返済金額を抑えることが出来ます。 多くの場合は最長の返済期間を5年としているのに対して、JAでは7年という最長返済期間が設定されています。
※ただし、JAは全国の各地域にあり、各JAによって条件や設定が異なっている為、利用可能なJAに直接問い合わせる必要があります。
注意点
JAは農業に従事している人の為の非営利組織ですが、1万円程度の出資金を納める事で、農業に携わっていない人でも利用する事が可能になります。
JAのマイカーローンを利用する際には、各地域の農協信用保証センターから保証を受ける必要があります。その際の最低限の条件として、出資金を出して組合員になることの他に下記のようなものがあります。
・現住所に1年以上在住規定の年齢に達している
・多くの場合、満20歳以上のようです。
・勤続1年以上の給与所得者または営業年数3年以上
・借入金額に応じた年収がある
・具体的には、年収の40%未満の借入金額であるいこと
など
これらの条件を満たした上で、源泉徴収票などの証明書が必要になるようです。
つまり、借り入れの際の審査に関しては、銀行や信用金庫・組合、労働金庫のように一定の厳しさがあると言えます。
ローン会社が扱う自動車ローン
一般的に多く利用されている販売店が扱う自動車ローンは、提携されているローン会社とローン契約を結ぶことになる為「ローン会社のローン」だということが出来ます。
販売会社が扱う「ローン会社のローン」の他にも、ローン会社を利用した自動車ローンがあります。それは、銀行などの自動車ローンと同じように自分で金銭を借りて自動車を購入するという方法です。
クレジット会社とローン会社
「ローンとクレジット」で紹介したように、「ローン」と「クレジット」は別の意味を持っているため、正確には、“ローン会社は金銭を融資してくれる会社”、“クレジット会社は信用販売において商品代金の立て替えを行ってくれる会社”ということになります。
しかし、クレジット会社が“立て替え”だけではなく、多くの場合“キャッシング”という呼ばれるローンを行っています。その為、一般的に『クレジット=ローン』という認識が広まったものと考えられ、そのことによって『ローン会社=クレジット会社』と認識される事が多いようです。
ローン会社で扱うローン
ローン会社(=クレジット会社)は、「ノンバンク」とも呼ばれ、預金の受け入れをせずに融資を行う金融機関です。
この融資の方法の中で自動車ローンとして利用出来るサービスは、主に「自走車ローン」「目的ローン」「フリーローン」になります。
具体例として、これら全てを扱っている「株式会社オリエントコーポレーション」のローンサービスは、下表のような内容になっています。
オートローン | 目的ローン | カードローン (フリーローン) |
|
---|---|---|---|
ローンの申込 | 販売店 | 利用者 | 利用者 |
金利 | 7.8%~ (販売店による) | 9.6%~13.2% | 7.8%~18.0% |
限度額 | 販売店による | 300万円 | 300万円 |
返済期間 | 最長5年 | 最長7年 | 最長7年 |
※上記は多数あるローンの一例です。また、金利など作成時点のものなので、変更の可能性があります。
この他に、キャッシングを利用する方法もあります。
その場合の金利は18.0%で元利定額リボルビング方式によって、元金によって支払い金額が変わっていきます。
(元金が30万円までは毎月1万円、30~40万円は2万円、・・・)
年間170万人が利用していると言われている「オリコ」のオートローンは低金利に抑えられており、「目的ローン」「カードローン」も業界トップクラスの低金利だと言えます。
しかし、目的ローンとカードローンは、明確に金利が公表されているのに対して、オートローンの場合は、契約している販売店によって金利が異なるようで、明確に公表はされていません。
これは、販売店との契約内容の違いによるものだと言えます。
また、通常販売店でオートローンを利用する時には、販売店の手数料が上乗せされている為、直接目的ローンやカードローンなどで資金を借り入れて購入した方が金利を低く抑える事が出来ます。
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